2010年7月5日月曜日

サマー・キャンプ

今年の夏休みは6月18日から始まった。我が家の子供たちは5月には半成人(10歳)になり、無事4年生を終了し、いよいよ9月には小学校最高学年の5年生になる。

オーペアがいなくなってからの数年は、6,7月は住み込んでくれるベビーシッターのお姉さんたちと過ごしたり、日帰りキャンプに行ったりしていた。8月は夫が子供たちといっしょにメインの森にこもる。ところが、今年は10歳になったのを機に、スリープオーバー・キャンプ(泊りがけキャンプ)に入れることになったのだ。それも4週間!!初めて、本格的に巣立ちの練習をするのだ。

アメリカでのサマー・キャンプの歴史は古く、友人の中にはいい年した大人になっても「私のサマーキャンプは私のセカンド・ホーム」とか「サマー・キャンプで私の人格が形成された」と言う人もいれば「サマーキャンプは将来の人脈つくりのファースト・ステップなのよ」と怖いことを言う人もいる。それだけ、お泊りのサマーキャンプは子供時代の重要な位置を占めることが多いのである。親子5代で同じキャンプに行ったと言う家族もいる。

だから、キャンプ選びは大変だ。キャンプが始まるのは6月下旬。何とその前の年の10月ころから受付が始まり、有名なキャンプだと1月にはもう締め切っていると言うのである!キャンプと一口に言ってもいろいろ。スポーツがんがんキャンプ、クラシック音楽の勉強をするキャンプ、ダンス・キャンプ、野外活動型キャンプ、アート・キャンプ、肥満児ダイエット・キャンプ、コンピューター・キャンプ、受験キャンプ、ロボット・キャンプ、延々と続く。

我が家も11月ころからぼちぼち調べ始めたりはしていたのだが、いつものことながらだらだらとしていたら、3月くらいになって女の子はまだ空きがあるけれども、男の子はもう締め切りましたとか、満員になったので誰かがキャンセルしたらお知らせしますなどと言われ始めて慌て出した。

切羽詰ったときの人間の心理とは怖いものである。だいたい、なかなか決められなかった原因の一つにはお泊りキャンプは非常にお高いと言う現実があった。大抵4週間で一人$4,500 ~$4,950(40 万円から45 万円くらい)。全て込みとはいえ、2人で$9,000 (90 万円!!)でも、お高いキャンプほど定員になるのが早く、どんどん締め切っていく。そうなってくると、あせりだして$4,300 のキャンプがそんなにお高くないような感覚に陥ってしまうのである。

我がだんなと相談したら「いいキャンプはそんなもんだろう。仕方がない、おばあちゃんに援助してもらおう。」と言うことになった。姑は前から「お泊りサマーキャンプにそろそろ行かせないと駄目よ。費用は援助してあげるから」と言ってくれていたから、腹をくくって電話をした。

「え~!!うっそ~!!(英語では”You are kidding!!")二人で1万ドル!!」と姑もぶったまげている。姑の場合は特に自分の息子をサマー・キャンプに送り出していた30年前を基準にしているので、なおさらである。それでも、彼女は気持ちを取り直し、「ジュンコ、ちょっともう一度改めてキャンプを探してご覧。ザックが行ってたキャンプは調べてみた?聖公会(キリスト教の宗派)が主体として運営しているキャンプだから、ファンシーじゃないけど、いいキャンプだよ。」と言った。

姑から薦められるとちょっと反抗したくなる私だが、とりあえず調べてみることにした。とりたてて魅力的なホームページでもなく、野外アクティビティー型のキャンプということはわかる。寝るのも、建物の中ではなく、8人が2段ベッドで寝起きする大きなミリタリー・テント。

ちょうど、ニューヨークとボストンの中間点に位置し、田舎、都会、郊外といろいろなところからキャンパーたちは集まってくる。去年の写真を見ると、白人が99%のお高いキャンプと比べると断然人種がいろいろと混ざっているのがわかる。

夫に聞くと、「まあ、ぼくの場合、うるさい母親から逃れればそれでよかったから楽しかったけど。」と頼りない感想。それでも、ホームページには同窓会情報なども載っていて、毎年同窓会に集まる人もいる様子。

そこで思い切って、キャンプ・ディレクターに電話をしてみると「おとうさんもここのキャンプに来てたの?2代目、3代目の子供もたくさん来ますよ。おとうさんには同窓会のニュースレター送りますよ。」とのこと。そしてなんと今年が創立125周年という。そしてなんとなんと4週間で一人$2,950 !!!安い!もうここに決まり!

といういきさつで、かなり時間をかけてリサーチした割には、いい加減に決めてしまった子供たちの初めてのお泊りキャンプ。さてさて、これでよかったのでしょうか。