2008年12月20日土曜日

サンタ伝説くずれる

うちの子供たちは今年8歳になりました。現地校では3年生。(日本語学校は2年生)まわりでも「サンタなんていないよ」と言う子供も増え、妙ちゃんとチャーリー君も「ねえ、サンタって本当にいるの?」と今年は以前にも増して、疑いの色の濃い目をしてきいてきた。

まだ小さい頃は、目をきらきらさせてサンタさんへ絵を描いたり、手紙を書いたりしていた。サンクスギビングが終わると、郵便局にはちゃんとサンタさん専用のボストが設置されるので、いっしょにそこへ手紙を入れに行ったものだ。息子の手紙は単刀直入で欲しいもののリストだったが、娘はまずサンタさんのご機嫌をうかがい、("Dear Santa, How are you? I hope you had a wonderful year....") そのあと自分がどれほどいい子だったかを書き、それからおもむろに自分のほしいものを書く。もちろん最後には "I love you." で締めくくる。クリスマス前の半年くらいは「いい子にしてないと、サンタさんが来ないよ」と脅せば、たいてい言うことをきくので「サンタさん様々だな」なんて思っていたこともある。

うちはクリスマスには、おばあちゃんの家に集まる。クリスマスイブの夕食は、ロブスター・キャセロールと決まっている。デザートのあと、おさらにクッキーと人参を用意し、(人参はトナカイのため)ミルクをグラス一杯入れて、クリスマスツリーの横に置いておく。サンタさんは子供たちが寝てから来るので、いつまでも起きていると来てくれない。子供たちは、そわそわわくわくベッドに入る。それからあとの2−3時間が「サンタの時間」。大人たちは大慌てでプレゼントを包む。サンタさんからのプレゼントは全部サンタの模様の包み紙を使う。おばあちゃんからのプレゼントは上等で上品な包み紙に包まれている。おかあさんとおとうさんのは量販店で買ってきたものだ。お互いへのプレゼントもあるので、「今こっち見ないでよね。」などと言いながらせっせと包む。

最後にほっと一息入れ、おとうさんが牛乳とクッキーをたいらげ、おかあさんがにんじんを食べる。しかし、これで終わりではない。このあと、おばあちゃんはお父さん、お母さん、子供たち、おばさん、そして犬のアディーのクリスマスソックスを詰めてくれる。おばあちゃんのソックスはお母さんが詰める。必ず入っているものは、歯ブラシ、歯磨き粉、デンタルフロス、みかん、チョコレート、ミント、雑誌である。他に化粧品だとか、小さいおもちゃだとか、いろいろ入っている。それはリビングルームにある暖炉の前に並べられる。

クリスマスの日の朝、一番早く起きてくるのは、もちろん子供たちだ。階段はおとうさんとおかあさんが寝ている部屋のすぐ横だから、小さい足音がぱたぱたと下へ行くのが聞こえる。そしてすぐばたばたと上に上がってきて「サンタさんが来たよ!」と大人に報告する。(大人の方は夜遅くまで起きていたから、まだまだ寝ていたいのに、、、)我が家の決まりで、プレゼントは朝ごはんの後にあけるのだが、クリスマスソックスだけはその前にあけて遊んでもいいことになっている。しばらくの間はそれで静かだが、待ちきれなくなってくると、2-3 分おきに様子を見に来るので、おばあちゃんが台所に入って、朝ごはんの用意をしてくれる。シュトーレンというドイツの菓子パンがメインで、それに目玉焼きかスクランブルドエッグとフルーツ。

朝ごはんも終わり、全員そろったところでやっとプレゼントを開けることができる。子供たちがサンタさんのエルフになって、それぞれのプレゼントにくっついているタグに書かれている名前を読み、プレゼントを配る。サンタさんからのプレゼント、おばあちゃんからのプレゼント、お父さんとおかあさんからのプレゼント、子供たちからお父さんとお母さんへのプレゼントといろいろだ。お父さんとお母さんが一番うれしいのは、やっぱり子供たちが自分で作ったカードとクリスマスの飾りなどのクラフトだ。毎年少しづつ子供たちが作ったツリーの飾りが増えている。

プレゼントに対する反応も、それぞれ違う。欲しがっていたおもちゃを、サンタさんが届けてくれたとき「え~!!うっそー!うっそー!ぎゃー、うれしいー!!ぎゃー、ぎゃー!I love you SANTA!!!!」と意味不明の言葉をわめきしらし、興奮するのはチャーリー。妙ちゃんはどのプレゼントにも平等にうれしそうな顔をして”Thank you." と言い、ごみの後始末を手伝う。

たくさんのプレゼントを車に詰め込み、屋根の上にまで乗せて家に帰るとき、楽しかったと思うと同時に、ふとこれでよかったのだろうかと考えてしまう、
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、、、と、これが、去年までのクリスマス。「ねえ。サンタさんはいないんじゃないの?」と詰め寄るチャーリー君と妙ちゃん。今年はさすがにお父さんとお母さんは折れた。お父さんとお母さんは、こう言った。「サンタさんはいる。サンタさんは確かにいる。サンタさんは君たちを愛してくれている人たちの心の中にいて、その人を通してプレゼントをくれるんだよ。でも、世界中に家族のいない子供たちや、プレゼントを買いたくても、お金のないお父さんやお母さんがたくさんいるだろ?その子達はどうなると思う?」「、、、、」(考え込んでいる二人)「チャーリー君や妙ちゃんもサンタさんになれるんだよ。恵まれない子供たちのサンタさんになる?学校で恵まれない子供たちにあげるプレゼントを集めているから、おこづかいで何か買ってあげようか?」「うん!そうだ、そうだ!ぼくたちもサンタになろう!ターゲット(アメリカ版ジャスコ)へ行って何か買ってあげよう!」お父さんとお母さんはうれしいのでした。

昔のサンタさんは、プレゼントは1個か2個しか持って来なかった。大人になっても、親兄弟で交換するプレゼントはささやかな物ばかりだった。でも、いっしょに賛美歌を歌ったり、小さなツリーを飾ったりしていたときに感じていたあったかさは一番だった。チャーリーと妙ちゃんも、あんなあったかな気持ち、感じているのだろうか。もう少し大きくなったら、感じてくれるようになるのだろうか。今年のクリスマスは、家族みんなそろってお祝いできて、楽しかったなと思ってくれるかな。自分たちもサンタさんになれてよかったと思ってくれるかな。

2008年12月10日水曜日

はじめまして。どうぞよろしく。

アビューザ家はおとうさん、おかあさん、チャーリー君、たえちゃんと、ラブラドゥードル犬のアディー君とうさぎのドミノちゃんの4人と2匹家族です。ボストンを北に40分程行った海辺の町イプスイッチに住んでいます。

おとうさんとおかあさんは二人とも,ニューヨークと大阪で育った都会っ子。これはその二人がニューイングランドに移り住み、自然に恵まれた環境で子供たちとこの土地でサバイバルするお話です。